初めてのオンライン講座当日

環境

2020年3月24日(火曜日)の夜に小学校4年生から中学校3年生までの子ども達と「コロナウィルス」を通して世界を考えてみました。前回のブログでも記載しましたが、初めてのオンライン講座でした。参加された子ども達は主催者の方が開催してこられたオンラインコミュニティCo-musubi(https://www.co-musubi.com/)の参加者でもあり、Zoomでの学びにも慣れていました。

今回は「資料を少なく、質問を通して共に考える」を自分のテーマとして80分のクラスに挑戦しました。正直に言って、このような形式でのクラスは初めてでしたので、キャンプおよびオンラインコミュニティ経験者の子ども達の胸を借りるような気持ちであまりガチガチに作り込まずに最小限の資料を用意しました。

テーマとして選んだ「コロナウィルス」の状況は刻一刻世界中で変わっており、特効薬もなく各国が手探りで対峙している最中です。生死を扱うシリアスな内容でもあることから子ども達と話し合うテーマとして適切かどうか最初は悩みましたが、「世界」を考える上でこのテーマ以外に身近なものは無いとも思い直して皆さんと話し合ってみました。

まずはじめに、コロナウィルスが起きた事による影響をまず考えてみて今不安に感じていること、不便に感じていること等を列挙してもらいました。そこではあまり世界と関わる事は出てこなかったのですが、漏れ聞こえる世界の緊迫した状況が日本にも訪れるのではという漠然とした恐れの声が聞かれたりしました。その後、コロナウィルスが起きたことで何か「良い事」も起きているか考えてもらいました。今までの生活に対する反省や、家族と沢山過ごせる良さなど少し視点を変えて考える事が始まりました。

この後、コロナ以前日本企業の海外展開はどのような目的で行われていたかを資料を使って説明しました。出前授業でも使っているクイズ形式の資料です。ここで少し参加者の皆さんの思考が止まった印象を持ちました。そこまでは対話式に「問いかけ」「考えて答える」というリズムが出来てきていたのに、資料を使う事に私が重きを置きすぎてしまいモタモタしてしまったからだと思います。かなりそぎ落として用意した資料でしたが、他にもあった資料はそこで一切使う事を止めて対話だけで進めることに切り替えました。

続けてコロナ前の日本企業の業態が「コロナウィルス後」どうなるかを考えてみようとしました。少々漠然とした質問にややクイズで思考がと切れてしまった参加者の方達はどのように答えたら良いか分からず、答えが出なくなってしまいました。

お子さんと参加するという形で見守って下さっていた主催者の井上さんがすかさず助け船を出して下さいました。参加者の皆さんが過去SDGsについて学んでおり、環境問題について検討をした経験があることから「環境」と絡めて考えてみてはとご提案を頂いたのです。みな、環境問題という以前に一度深く考えた課題を思い出して、今の経験からコロナ後に何が出来るかを時間を掛けて考えていきました。

しばらく思考の時間を持った後に「将来起きうる感染症以外の災害にも今の状況は活かせるのではないか」「世界中の国が協力関係となり将来類似の感染症が出たときを想定して対応策を考えられる」「マスク、トイレットペーパーなど不足しているものを大切にして暮らしている今の生活から、無駄遣いを減らすことに気づけるのでは」「車の移動などが少なくなり大気汚染が減る」など多くの意見が出てきました。

意見を交換しているとあっという間に時間が過ぎてしまい終了の時間が近づいてきました。最後にお一人ずつ感想を頂いたのですが、とても嬉しかったことは「このピンチの状況を活かして何かを考えられないか」というマインドに皆さんがなってくれたことです。「ただ、前の生活に戻るのではなくて、今経験したことを今後に活かしていきたい」と言ってくれた参加者もいました。不自由な暮らしの中で視点を変えることは簡単な事ではありませんが、状況から学べる事は必ずあります。地球規模で起きている事を、異なる視座で見つめてみることをこれからも時々思い出してもらえたらと思います。

初めてのオンライン講座は、時に主催者の方に助けて頂きながら無事終えることが出来ました。参加者一人一人の意見がそれぞれの興味と関心の対象を表していて私にとっても学びの多い時間となりました。

振り返りをしてみると、Zoomを使った少人数のクラスでは講師と参加者の距離が近く一対一の対話が出来る事が分かりました。資料を使わなくとも口頭の説明で十分に伝わりました。どうしても見なくてはわからない情報以外は資料は不要だと感じました。

また、こちらが答えを出さない方針だからと言って、事例など私だから伝えられることまでを押さえ込む必要は無いことも分かりました。

今回はオンライン講座に慣れていらっしゃる主催者と参加者の皆さんに助けて頂きガイドを勤めることが出来ました。初心者が挑戦する上でとても恵まれた環境であったと感じています。この機会に学んだことを今後の授業に活かしていきたいと考えております。

Yoka-Yokaキャンプ主催者、参加者のみなさま貴重な機会をありがとうございました。

 

 

オンライン講座にチャレンジしました。

Educate-your-Kids-Onlineコロナウイルスの影響で学校が休校になっており、子ども達の学びをいかに支えるかと様々な団体がオンライン講座を提供し始めました。ありがたいことに、私にもお声を掛けて頂き、初めてのオンライン講座に挑戦をさせて頂きました。主催者は過去数年間にわたりオンラインで子どもと保護者を結ぶコミュニティを形成されている方で、今回は休み中の余暇の時間をオンラインのキャンプ形式で過ごすという新しい発想の講座「Yoka-Yoka(https://www.yoka-yokaonline.com/)をコロナウイルスで学校が一斉休校になった直後に立ち上げられました。「キャンプ」という名前の通り、講座の内容はお料理、昆虫の話、だじゃれ、持続可能な社会についてなど多岐にわたります。仕組みはZoomを使って子ども達が各家庭から参加をする形でした。

初めてのオンライン講座で、どのようにすれば良いのか作法が分からず、準備は試行錯誤の連続でした。まずは今まで出前授業や講演会で活用していたパワーポイントの資料を準備して主催者の方達とディスカッションをしました。すると主催者の方からは「資料はあまり必要ありません。また教えるのではなくて、テーマを提供して共に考えるという方法の方が子ども達が参加しやすいと思います」とアドバイスを頂きました。「なるほど」と思いつつ、資料を使う事で理論武装していた私にとっては、武装解除をして丸裸で対峙しなくてはいけないようなそんな気持ちになりました。とはいえ、常日頃から出前授業の内容にワークやクイズなどを入れて「共に考える」という時間を作ってはいても、どこかこちらの考えを「与える」というスタイルになりがちであったことが悩みの種でした。この機会に資料に頼らない双方向型の授業の仕方を身につけるチャンスだとも思い始めました。

主催者の方からのもう一つのアドバイスは「質問をする」ことでした。こちらから答えを出すのではなく、参加する子ども達から各自の考えを出し合ってもらいその中にひとつではない解を求めること。想定もしていなかった方向に流れていったとしても子ども達の意見に耳を傾けて委ねること。

この助言を頂いてまず始めたのは「質問」に関する本を読むことでした。「質問」をする事にあまり自信がなかったのでまずは専門家の意見を学んでみようと思ったのです。付け焼き刃ではありますが3冊ほど読みました。1冊目は美術を鑑賞する際に子ども達の思考を深める質問をする内容、2冊目は他者への問いかけと自らへの問いかけに関する内容、3冊目は生徒自身が質問を考えられるようにする方法についてでした。読めば読むほどこちらの考えを最小限にテーマのみを述べるようにして「質問」の投げかけを行い、答えに対して更に問いかけを行うことで思考を深める事の大切さが分かりました。質問は実は深い思考とともに行うと色々な意味が出てくるもので、今まで好奇心の赴くままに質問をしてきた自分の思考の浅さに気づきやや愕然となりました。

お話を頂いてから講座までの2週間位の間にした事は、資料の絞り込み(8割そぎ落としました)と質問を考える事。

今回、主催者の方にアドバイスを頂き決めたテーマは「コロナウイルスを通して世界を考える」。今一番タイムリーな話題です。とは言え、日々状況が変わっているテーマでもあるのでとても難しいテーマだとも感じました。

講座の内容は次回ご紹介したいと思います。想定外のことが沢山あり更に学びの多い時間となったことだけ先にお伝えしておきます。

今回オンライン講座にチャレンジをさせていただき、準備段階ですでに気づきの多いとても豊かな時間を過ごさせて頂きました。機会をご提供頂き心から感謝しております。

 

ダイアログ・イン・ザ・ダーク

先日、暗闇を視覚障害者の方に案内して頂き様々な感覚を体験するイベント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」に参加をしてきました。

内容のことを詳しく書いてしまうと、これから参加される方にネタバレしてしまうので控えますが、とても面白かったのは自分の感覚の変化でした。

最初は未知の世界を体験することへの恐怖で震え上がっていました。実際イベントが始まってしばらくは、自分の心の動揺がうるさいほど気になり、鎮めるのに自問自答を繰り返していました。それが、いくつかのポイントを体感した辺りから段々と落ち着き、周囲の人とコミュニケーションが取れるようになると、その後は新しい体験への好奇心がムクムクと沸き起こり「もっともっと体験したい」とさえ感じました。

この一連の感覚は何かに似ていると考えていたら、常々学校の授業で生徒の皆さんへお伝えしている「コンフォートゾーンを広げる」というプロセスと共通しているのだと気づきました。海外に初めて行くときは最初は怖かったり、不安を感じたりしがちです。新しい環境に慣れるまでは自分と向き合い自分の弱みとも向き合わなくてはなりません。そんな環境も徐々に慣れてきて、周囲とコミュニケーションが取れるようになると段々新しい環境について好奇心が出てきます。

海外など今の環境と大きく異なる場所へ行く予定のある方、ダイアログ・イン・ザ・ダークで自分の心の動きに向き合ってみてから行かれると新しい環境に順応しやすいかもしれません。

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2020年今年もよろしくお願いいたします。

皆さま、昨年は世界ビト図鑑ブログをお読みいただきありがとうございました。本年も日本と世界に関わる様々な情報を発信して参りたいと思います。少しでも皆さまのお役に立てるように、アンテナを立てて情報をお伝えしていきます。よろしくお願いいたします。

昨年は海外出張の多い一年でした。パリ・スペインを皮切りに、アメリカ、香港・マカオ、フィンランド、台湾、ミャンマーと仕事で訪問をする事が多く、日本国内においても海外からのお客様の対応など常に世界を意識した一年となりました。

出前授業も小学校から大学まで幅広くご提供をさせて頂きました。昨年は都内、近隣の県の教員の方々への講演会もお受けいたしました。

出前授業や講演会を提供する際には常に最新の情報を盛り込み、世界では何が起きているかをお話しして、その事が日本人として生きていく上でどのように関係があるのかをお伝えしていますが、昨年の授業で特に新たに取り入れて発信したことに環境問題に対する対応がありました。

きっかけは私の子どもがアメリカの高校に留学をした際に「環境科学」の授業を取り、気候変動の問題が差し迫った危機であることを知り、私にもその情報を教えてくれたことでした。日本に住んでいると気候変動の問題は対岸の火事のような感覚で、日本が世界でどのような立ち位置にいるのかも情報があまりなく無知の状態でした。その後、世界各国での山火事や猛暑、日本での度重なる台風の被害を目の当たりにして「何かが起きている。全ての天災は繋がっているのではないか」と思うようになりました。そして調べて見ると世界の科学者達は、世界で起きている天災の関連性と気候変動へのアクションについて警笛を鳴らし続けていることに気づきました。

昨年の学校での授業では環境問題について世界の若者がいかに真剣に反応して行動をしているかを伝え、日本でもまず世界の情報を仕入れて「無知」から「認知」へ意識を変えてみてはと提案をしました。そのためには日本語で入手出来る情報にのみ頼るのではなく学校で習っている英語で世界の情報を仕入れられるようになることがとても大切なのではないかということもお話しました。「英語」が使えることは単なる教養ではなく、大きな変化の中にある地球で生きていく為のサバイバルする技術なのです。

授業で出会う子ども達が、世界の社会課題を意識して様々な国の人々とコミュニケーションをとりながら助け合って解決を考える。そんな活動へと展開していくきっかけ作りをこれからも行って行ければと考えております。

昨年末からは念願の地域別講師の方による「世界ビトになろう!」出前授業も始まりました。

2020年も日本全国どちらにでもお伺いを致します。関心をお持ち頂けましたらお気軽にご連絡くださいませ。

 

ギフテッドチルドレンの親に伝えたいこと

以前ギフテッドチルドレンとはというブログを書かせていただきました。(ギフテッド・チルドレンって知っていますか? ) 生まれつきある分野に突出した能力を持つと言われていますが、時にとても繊細で傷つきやすく場合によっては発達障害的な性質も合わせて持つ事もあると言われている子供たちのことです。海外では小学校入学時などに評価を行い、ギフテッドの性質を持つ事が認められた子供たちは通常の学校と並行して特別な学校やプログラムに通い、各自の特質にあった教育を受けることが出来る国も多くあります。

私は日本では注目されていないギフテッドチルドレンの教育について関心があり情報発信をしていこうと思っています。ギフテッドの子供たちは天才児と言われるような万能な秀才だけではなく、一つのことに秀でていてもそれ以外の事には関心を持てない場合もあります。同学年の子供よりも学習進度が早いのでクラスになじめず、自分の欲求が満たされないために知らず知らずのうちに反抗的な態度を取ってしまい、教師に扱いづらい子どもと捉えられて性質を伸ばす機会に恵まれないこともあります。結果として普通学級では居心地くなり不登校になってしまったりしているケースも多いと聞きます。

日本において天才児を探すことを普及するためのギフテッド教育の情報提供ではなく、全ての子供の個性を生かす教育を実現することを目標として、まずは海外で行われている教育事情をご紹介していきたいと思うのです。

 

見て聞いて知ること

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先日クライアント同行の出張で香港とマカオに行ってきました。両地を繋ぐ橋が出来たので、陸路約1時間でこの二つの場所は移動できます。とても近いこの二つの場所はそれぞれイギリスとポルトガルの租借地であった歴史があり、返還後の現在は中国の一国二制度の下統治されています。

香港は、ニュースなどでご存知の方も多いと思いますが、現在学生を中心とした人々が中国寄りの姿勢を示す香港政府への抗議をデモという形で示しており、各地でデモ隊と香港警察がぶつかっています。今回、香港へ立ち寄ることには慎重に検討が必要でした。クライアントの仕事の打ち合わせ場所に近いホテルを手配して頂き、歩き回らないことを条件に香港行きを決めました。デモ隊に間違われないようにマスクをするなと注意をされたり、デモ隊が黒い服を着ていたことから黒い服は着ないようにと言われたり注意が必要でした。現地ではホテルから300メートル圏内以外を歩くことはなく、危険を感じるような経験はしませんでした。とはいえ、現地の人々から「観光客が少なくなっている。ホテルが取りやすいからまた来て下さい」と言われ、海外の観光客も皆香港行きを控えている状況を実感しました。私は高校時代に香港に住んでいたことがあり、友人もたくさんいるのでそのような状況になっていることはとても残念でした。車の窓から住んでいたあたりのマンション群を見上げて当時のことを懐かしく思いつつ香港に別れを告げました。

香港に1泊だけして今回の出張のメインであるマカオに向かいました。マカオ訪問は初めてで、今回は中国との国境に近い新市街と言われる場所を訪問しました。訪れて驚いたのは、マカオの新市街はまるでラスベガスのようであることでした。カジノを中心とした大きな細長い建物の周囲をぐるりと囲むように高級ホテルが林立し、そのカジノ+ホテルの塊が広大な土地の上に何カ所も広がっていました。今回の訪問の目的はホテルの方々との商談だったのですが、カジノを含んだ複合施設が更に拡大をしているとのことで、とてつもない規模のエンターテイメントの場が増殖中であることが分かりました。アジアの一大IRとなることを目指し、アジア各地から観光客を呼ぼうとしているのだろうかと思ったのですが、よくヒアリングをするとホテルの方達が見据えるメインのお客様は「中国本土からの旅行者」であるとのことでした。確かにホテル内では中国の方達をとても多く見かけました。

さて、今回の出張で私が感じたのは同じ一国二制度で中国に統治されている近接した二つの場所の中国に対する意識の違いです。香港は中国からの独立を願って行動を起こしている、一方マカオは中国に寄り添い経済的な発展を目指している。

どちらが正解ということではありませんが、この極端な違いに驚きました。この感覚は実際に行って見てみないと分からなかったことでした。中国という巨大な国に対して香港、マカオ、そして台湾もそれぞれ異なるスタンスで異なる距離を取っています。そのようなことを肌で感じることが出来たことは大きな収穫でした。

世界は動いている。それは日本でメディアを通して知るだけでは想像しにくいものです。今回の経験は今後他国の理解にも繋がると感じています。

訪問した国の状況を現地の人からお聞きして学ぶ事はこれからも続けていきたいと思います。そしてその情報を出前授業で学生の方々にシェアして、世界に関心を持つきっかけとなれればと考えております。

ギフテッドと世界ビト

昨年よりギフテッドチルドレンの教育について調査を行っており、ニュージーランドの教育機関訪問、米国での世界ギフテッドチルドレン協議会の会議への出席など積極的に情報を収集しています。近々その調査結果をメディアで発信する予定です。

今までは「世界に羽ばたく子ども=世界ビトを育成すること」に従事して参りましたので「リエゾン・デートルは事業の方向性を変えたのか?」と不思議に思われている方もいらっしゃるかもしれません。

実は世界ビトを育てることとギフテッドチルドレンの教育について情報を発信する事は深いところで繋がっています。その共通点は「個性にフォーカスした教育とその活躍の場所」です。

弊社がご提供している「世界ビトになろう!」の出前授業では子ども達にまず「今、自分が何が得意で何に夢中になっているか」を問いかけます。私は好きな事や得意な事に気づき、それらの事をとにかく続ける事で、自信や能力が育つと考えるからです。日本の教育ではあまり個性を伸ばす事に重きが置かれておらずどちらかというと基準に合わせて子どもを育てがちです。その結果、自分の長所に気づくことが出来ずどこか自己肯定感が低い子どもが増えてきているように感じます。その状況を変えていきたいと微力ながら願い日々子ども達に出前授業で語りかけていました。

ギフテッドチルドレンとは突出した能力を持つ子ども達です。人口の約5%存在すると世界では言われています。しかしながら日本ではその存在自体が広く認知されていないことから能力に気づくことすら出来ずに埋没してしまっているケースが沢山あるように感じています。私はギフテッドの子ども達にも持っている力を伸ばして自信として活用して欲しいと考えています。

ギフテッドを含めて全ての子どもの「個性」を重んじて育成し、自分の能力に自信を持って日本という狭い世界だけではなく日本を含めた世界を視野に力を活かして欲しいと願っています。

現在、地球規模で世界が一つになり真剣に関わらなくてはいけないことが増えてきています。環境問題などは特に自国の事だけを考えている場合ではありません。大人も子どもも持っている力を活かして出来る事を考え行動に移していくそんな人材が育つように力を尽くしていきたいと思います。

 

出前授業の後で

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「世界ビトになろう!」出前授業をご提供し始めて8年目となります。授業の後に感想文を頂く事はあってもその後生徒の皆さんがどのように成長されているかを知る機会はなかなかありません。そんなある日メールが届きました。

2年前に授業を行った高校の生徒さんからでした。その生徒さんは授業のすぐ後に私の会社のホームページに連絡を下さり「もう少し詳しくお話が聞きたい」と言って下さったので学校の許可を得て個別でお会いした方でした。当時高校2年生だったその男子学生の方から先日メールを頂いたのです。

「世界ビトになろう!」出前授業を受けて世界と関わる事に関心が高まり、その後1年間中国語を学んだ上で、現在は台湾の大学に進学をされたというご報告でした。台湾の学生の皆さんと共に国際関係を英語の教科書を使って中国語で学ぶという環境に身を置いているそうです。「とっても大変ですが、やりがいがあります。自分の夢を実現するために今一生懸命勉強しています」との事。ご提供した授業の影響力を感じ身が引き締まる思いですが、自らのチャンスを世界に切り開いていった学生の方のコメントをとても嬉しくまぶしく読ませて頂きました。その後、この学生の方の出身校の先生にメールを頂いたことをご報告しましたら「他の学生も英語の勉強法について『筋トレと一緒だ!積み重ねだ!』とか、酒井さんの授業で話されていたキーワードをよく口にしていましたよ」とお返事を頂けました。

世界ビトとして生きていくこと。私はこれからの日本人にとって当たり前の事だと考えています。他人事ではなく自分事として世界ビトになる事を意識しながら必要な力を身につけていって頂きたいと願っています。弊社もそのために出来る限りの情報提供を続けて参ります。

 

日本の大学の一般教養は学生のやる気を削いでいる?

Alumni_Hall_1889_Sun「世界ビトになろう!」出前授業で大学を訪問する機会があり、時に大学生と一緒に国際交流のイベントを開催したりすることもあるのですが、最近とても気になるのがお会いする大学生の表情があまり明るくないことです。特に入学したての1年生からは「一生懸命勉強して入ったけれど大学の講義が面白くない」2年生からは「自由な時間があるから校外の活動に積極的に参加するのだけれど大学に通うこと自体には面白さを感じられない」という言葉を聞くことが多いのです。そのつまらなさからドロップアウトしてしまう学生も少なくないようです。

入学して1~2年間は専門科目のみならず一般教養と言われる幅広い内容の講義を受講することが可能です。興味対象を広げて教養を深めるという目的があるようですが、実際学生達は専門外の関心の薄い科目を選ぶこともあり単位取得の目的となる傾向があり学校側も専門課程ではないので課題やテストもそれほど厳しくなく受講すればOKというような扱いにしているところが多いようです。つまりはゆとりのある教養を学ぶ時間という位置づけです。その講義を多くの学生は「刺激が少ない」と感じているようなのです。

かたやアメリカのリベラル・アーツ・カレッジ(大学院を持たない少人数制の学部学生の教育を行う大学)でも入学当初は多様なサブジェクトを学び、その後専門を選ぶ事ができるという仕組みになっていて構造は似ています。ではアメリカでは人気の高いリベラル・アーツ・カレッジと日本の大学の一般教養の大きな違いはなんなのでしょうか。それは受講する講義の内容のハードさと人数だと思います。例えばアメリカのリベラル・アーツ・カレッジでは1コマの講義に対する必要な予習時間が約4時間でその程度の予習をしないと内容を理解することが出来ず参加も出来ないと言われます。またリベラル・アーツ・カレッジは少人数制で大学全体の生徒数が2000名程度、10名に対して1名の教授というような学生と教授の関係が緊密であるという特徴もあるそうです。2年間様々な分野の教育を真剣にみっちり受けた上で学生は専門を選択し時にダブルメジャーと言って複数の専門を並行して選択する学生も多いと聞きます。

この違いを知って個人的に私は日本の多くの大学は学生に対して彼らが真剣に学ばなくてはならないほどのチャレンジを一般教養の講義において挑んでいないのではないかと感じました。頭を振り絞って考える。必死で準備をして行く。先生と意見を戦わせる。そんな内容であれば学生も学び、考える楽しさを味わう事が出来て様々な分野に真剣に取り組むことで視野も広がる結果となると考えます。

これからの社会では一つの専門分野に特化するよりも多くの分野の共通性や関連性の理解が必要となってくると私は思っています。一般教養は自分の興味や関心を広げるチャンスです。大学がつまらないなどとは言わせないほど学生が真剣に取り組む授業を日本の大学でも提供して下さることを心から期待します。とはいえ、学びの主体は個人なので大学だけが悪い訳ではなく「自分がなぜこの大学を選び何を学びたかったのか」を考えて大学が標準で与えてくれている事以外は本当に学べないのかを再考してみることもお勧めします。大学と学生双方の意識改革が必要となっていると私は考えます。