海外駐在員が求められる力

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海外に展開されている日系企業にお勤めの日本人社員と現地社員の方々とお仕事をする機会が多いのですが最近よく見られるある傾向に気が付きました。それは日本人社員と現地社員の立場の逆転です。

日系企業に勤める日本人の方々は海外駐在期間が2~3年で異動されることが通常の企業の場合、現地のビジネス事情や文化を知り現地のスタッフ以上に知識を携えて仕事をすることは難しく、現地スタッフの方達の力を借りなくては実際のビジネスを遂行するのは簡単ではありません。語学が得意ではない日本人の方も多く、結果として長くその会社に勤めている現地スタッフの方に頼り切りになってしまう方も多いようです。すると現地スタッフの方達は表面上は相手を立てながら実は巧みに日本人の上司を操るような事にになってくることもあります。

これからは日系企業の社員の方は現地スタッフにリスペクトされるような仕事ぶりが必要になります。それは長くその企業で培われてきた企業理念やビジネスの仕方の伝達。現地企業との協業時に深く相手を理解しようとする姿勢、商習慣の異なる国では日系企業として譲れない部分の明確化などではないでしょうか。

日本企業の誠実さ、製品やサービスの品質は多くの国で今でも評価が高い状況です。それらを実現するためにいかに努力しているかを真摯に伝える事は現地スタッフの方々にとっても有益であり学ぶ点が多いのではないかと考えます。

現地の方々と相互にリスペクトが成り立つ関係を築く事。これが海外展開されている企業社員の方々に必要な力の1つなのではないかと思います。

 

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顧客第一主義について(ベトナム)

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お客様に対してサービスを提供する際に予期せぬトラブルが発生すると、得てして心の中で(時には声に出して)相手のせいにして自分の気持ちを楽にしようとすることがあります。「相手が無理難題ばかり言うから」「想定外の事を依頼された」等々。日本人と仕事をしていると私の周囲でもそういう声を耳にすることが多く、どちらが悪いとか責任の押し付け合いになったりすることもありました。

現在ベトナムでクライアント企業のベトナム人スタッフ達と、ある新規顧客の対応をさせて頂いています。先日プロジェクトのピークを越えて一息ついたところなのですが、業務を遂行する際に想定外の事やトラブルが多く発生してどうやって解決するかを皆で常に頭を悩ませていました。その際になんとも清々しい気持ちを感じている自分に気が付きました。それはベトナム人のチームメンバーのマインドに「顧客のせいにする」という意識が全く無く、「いかにプロフェッショナルに顧客にとって最適な解を探すか」という意識で解決にあたっていたからでした。

「トラブルが起きてしまった事はしょうがない。何とか解決しよう」「未然にトラブルを想定してお客様と対応策を練るところまで出来なかったという点ではこちらに落ち度はないか?」「お客様任せではなく双方にとって利益となる最適な解決策は何か」という視点を常に持ち、気が遠くなるような作業が発生してもゴールを目指してとにかく前に進めるという姿勢に一緒に働いていてとても感動しました。

チーム内部ではより良いサービスを提供する事と、費用対効果についてなど「最善とは何か」についてかなり激しい討論もありましたがそれはあくまでお客様にとり何がベストかを意識しての事。どこの国にも色々な性格の人がいてベトナム人全てが同じ考え方ではありませんが、お国柄として誠意のある対応をされる方が多いという印象を持っています。

私も常日頃お客様にとってのベストを考えながら仕事をさせて頂いていますが「もっと掘り下げて顧客のために考えられないか」など彼らの姿勢から学び精進していきたいと思いました。

大学からの海外留学(台湾編)

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台湾を訪問した際に国立台湾大学に留学中の日本人の大学生の方々とお会いする機会がありました。お一人は桜木智大さん。以前出前授業をさせて頂いた明治大学の方で授業後に声を掛けて頂きFacebookで繋がらせて頂いておりました。弊社が行っている海外ビジネスサポートの業務に関心を持ってくださっていたこともあって台湾で一緒にお食事をしましょうとお声を掛けたら快諾をして頂きました。同時期で留学中の同志社大学の村松和樹さんも同行してくださりその夜は色々と情報交換の場となりました。

台湾大学では英語で授業を行う科目が多く選択肢も幅広いそうです。もちろん中国語の授業もあり今世界で主要な言語と言われる英中の二つの言語を学ぶ最適な環境の一つと言えます。

現在日本では様々な留学プランを提供する大学が多く、お二人もいくつかの候補国の中から選択して申請手続きなどを経て実際に留学へと進まれたそうです。「なぜ台湾なのか」という私の疑問にそれぞれ答えて下さったのですが、明治大学の桜木さんは「生活に身近な食と関わる仕事に関心がある。日本と海外を食関連のビジネスで繋ぐことが出来たらと思っており、香港、トルコなど他の国の候補も検討したが親日感情があり地理的にも近い台湾から学ぶことが多いのではないかと思った」との答えでした。同志社大学の村松さんは「これからのビジネスは中国語が話せる事が重要になるのではないかと思っており中国語をしっかりと身に着けられる国で学びたかった。併せて英語でも授業が受けられる事からこの滞在時に語学力を高めたい」との事でした。

お二人は共に大学三年生。一年間の留学を終えて帰国すると四年生に戻ります。つまり周囲は就職活動がほぼ終わっている時期に帰国する事になります。他の学生の方の就職が決まっていく中、留学している事に不安はないのかという問いかけに「留学して学んだ事を重視せず、他の人と足並みを揃えている人材を望む企業には入る必要がない」との事。正直胸がスカッとするような歯切れの良い答えでした。実際には不安はあるかもしれないけれども、今自分が選択した道を大切にして人と同じではない独自の道を歩もうという姿勢に頼もしさを感じました。

お二人に是非やってみてほしい事は、今台湾で学んでいる事で人とは異なる付加価値を身に着ける事。そのことをより意味深くするためには人脈を広げ、今学んでいる環境だからこそ得られる情報を出来る限り吸収する。多くの人に会い世界各国から来ている学生と交流し自分が立てた各国に対して持っている仮説を検証してみる。可能であれば企業でインターンの機会を頂くなど更に働く事も経験出来れば就職活動をする際に「自論」を述べる事が出来る人材になれると思います。

飛行機を使って二時間ほどで到着する台湾は近くて身近な海外。小さな国でも世界に向けて挑戦をしている企業も沢山あります。小さい国だからこそ手が届く世界もあるのではないかと想像します。出来ればお二人が帰られる前に再度台湾を訪問しお時間を頂いて、その後どのような学びがあったかをお聞きすることが出来ればと思っています。そして将来は何かの形でお仕事がご一緒出来れば嬉しいなとワクワクする気持ちも秘かに持っております。

若い可能性に満ちた「世界ビト」達にお会い出来てとても実りの多い台湾訪問でした。

写真の左が桜木さん、右が村松さんです。