大人の視点と子供の現実

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先日姪と話していたら「就職がなかなか決まらないので親戚から看護師の資格を取れなど自分の専攻や興味とは全くかけ離れた具体的な職業を勧められ閉口している」と聞きました。また別の日には息子の同級生のお母さんから「そろそろ娘が大学進学のために理系・文系を選ばなくてはいけないことから2人で将来の仕事の話などを始めた」と話をお聞きしました。そのお母さんは結婚前は事務職をされていて、出産を期に専業主婦になり子供の手が離れた際に「手に職」がないことで再就職先を見つける事がとても大変だったそうです。そのためお嬢さんにはとにかく手に職を付けてほしいと願っており理系に進みたいと話されているお嬢さんにそれならば薬学を専攻し「薬剤師」の資格を取ったらと勧めたら「それはやりたいことと違う」と言われてがっかりしているとの事でした。

二つの話に共通している事は子供達の周囲の人たちは「自分の経験や知識から子供にとってベストと思われる提案をしているという事」「突き詰めると生きていく為には働く事が大切であるという事」を伝えようとしているということでした。どちらも子供の事を大切に思うからこそ「自分なりに考え付く事を一生懸命考えて提案してくれている」という愛情に基づいた対応でその点はとても心温まるお話です。自分の希望と異なる考えを押し付けられている=不快と子供が単純に反応しないでほしいなと思いました。

ただし、具体的な職業を提案することは今の世の中ではあまりしない方が良いのではないかと私自身は思います。世の中の環境変化はとても早く、そして社会は変わりゆくものです。親世代が確実に安定を約束すると思っている職業は近い将来淘汰されてしまう可能性もあります。子供世代の職業を親世代と同じ感覚でとらえるのは危険です。時代に合った職業を選択していく事がいつの世の中も求められているのだと思います。

私の母から聞いた話ですが、昭和20年以降戦争が終わり生活がやや豊かになりつつある時期に洋裁をする女性が沢山おり自宅で家族の洋服を作ることがトレンドだったそうです。洋裁の先生という職業もとても人気でした。それがしばらくすると既製品の洋服が一気に増え自分で服を作る人が激減したそうです。洋裁のお教室はあっという間に無くなってしまいました。職業は常に変わっていくものなのです。

そんな社会で生きていく為に必要なのは「変化に柔軟に対応出来る力」「環境変化に合わせて発揮できる強み(技術ではなく性質)」の自覚ではないかと思います。「対人関係力が強い」「コツコツと何かを積み上げるのが得意」「新しいことを発想するのが好き」などなど、具体的な職業ではなく自らの能力を自覚してその力を強化する。そうするとどんな変化が起きても「では新しい環境で自分の力を活かすのはどうしたら良いか」と柔軟に対応できるのではないでしょうか。

つい自分と同じ轍は踏ませたくないと子供の事を思う心は愛情深い心だと思います。子供に伝えるべきことは「具体的な職業の提示」ではなく「生きていく為に必要な力」であり、子供たちに本意が伝わるような表現をするように心がけていこうと考えています。

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