スリランカ訪問記(教育事情)

35282754_1752165491544785_7164419433035726848_nスリランカを訪問し現地の教育機関を訪問してきました。弊社の関心としては「グローバル化への対応」「多様性の理解」「英語教育」等がありますのでその辺りを特に重点的に学びたいと思ってリクエストを挙げていました。

今回の訪問は弊社の所属する地元の商工会議所の研修旅行で本来は現地日系企業やJETROの訪問から日本企業が訪問国でどのような経済展開をしているかを学ぶという主旨がありました。同様の主旨で前回もミャンマーを訪問しておりとても豊かな学びを得ました。

教育機関への訪問は計画当時は予定外であったのですが、研修旅行参加者の方にとっても海外の教育事情を知ることについて関心を持っていただく事が出来ました。ある意味教育は世界各国にあり未来の世界を担う子供たちを育てるという意味では目的は共通です。

さてまずスリランカの教育事情についてご説明します。スリランカは公立校であれば小学校から大学まで無償で教育を受ける事が出来ます。国民への教育は広く徹底されており南アジアインド、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、モルディブの各国を含む地域)の中でスリランカは特に抜きん出て高い識字率92.6%(男性93.6%、女性91.7%)です。男性と同等に女性の識字率が高い事も特徴的です。義務教育は14歳まででその後は進学するか職業に就くかの選択がされています。大学は無償ではありますが大変な狭き門であるため入学できる学生は1万6千人前後(人口約2000万人)と限られており、更に卒業できる学生は入学した学生の5割と言われています。

前回のブログでも書きましたがスリランカは大きく分けて二つの民族が混在して構成しています。民族が多く住む地域によってシンハラ語、タミル語のみで教育を行っていますが、コロンボ、キャンディ等の都市においてはシンハラ語、タミル語および英語で教育が行われているそうです。シンハラ語とタミル語は全く異なる言語であるためその橋渡しをする役割を英語が担っており、独立前はイギリスの植民地であったことも影響してか英語を話せる人は想像以上に多く、コロンボ、キャンディなどの訪問した都市で地元の人が行くようなスーパーやお店でも英語で対応出来る方が多い印象でした。

今回訪問をしたのはWycherly International School of Colomboという全ての授業を英語で行う私立のインターナショナルスクールでした。富裕層のお子さんが通う学校と言われておりイギリスの教育メソッドを導入しているとの事でしたが、1985年に100名の生徒で始めた学校が翌年には450名に、1988年には800人、1996年には1000名を超えて2歳半から17歳までの子供たちに教育を提供しています。確実に英語での教育を望む保護者が多く存在する事が分かります。この学校の教育方針は「success through discipline (規律に基づいた成功)」と言うもので、disciplineとは「規律・躾」と訳せるのですがどこか日本式の教育と志が近いような印象を持ちました。

Symbolizing the peace and the unity Of all the nations gathered here (全てのここに集った国々の平和と統一の象徴)とは校歌の歌詞の一節ですが、スリランカ人だけではなく世界各国の子供たちが学んでいるそうで多様性を受け入れている校風がありました。日本人も少数ですが学んでいるそうでした。

授業には週一回必ず「創造性を養う」授業があり、勉強のストレスやプレッシャーから解放されるように製作物を作っているそうでした。制作物は子供同士で話し合ってテーマを決めて作っているそうです。

校舎を案内いただいてから、一つの教室に集まり先生方のお話を伺う機会を頂きました。まず驚いた事は先生方の8割以上が女性であったことです。カースト制度がまだ存在するスリランカでは女性の地位は男性よりも低く捉えられていると言われていますが、教師は女性が活躍できる職業の1つとの事でした。訪問した学校では創立33年ですが、創立以来働き続けていらっしゃる先生も多く、皆さん教職をとても誇りと思われている様子でした。

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最後に興味深いプレゼンテーションをされた先生がいらっしゃいました。「学校教育へのIT導入の意義」がテーマでしたが、SNSの悪影響やインターネット利用による子供の不適切な情報へのアクセスからIT機器の導入に対して反対する意見が多いが、これからの世の中はいかにツールを賢く管理しながら活用するかが教育現場で重要になってくる。ネガティブな要素があるから全く使用しないという事は現在の進化している技術を無視することになる。必要なことは「正しい使い方を教える事」。その為には教師が最新の技術や情報を入手してメリットとデメリットを理解し、教育的な活用方法で子供達に伝える事が大切との事でした。今まさにAIなど人間が作り出した技術が進化をしている時代、納得感のある内容でした。

こちらの学校訪問後、スリランカの都市や郊外の街をバスで移動する最中には公立の学校を多数見かけました。設備は訪問した私立校よりはシンプルですが、大きな道路沿いの目立つところに位置している事が多く教育を大切にしている国と強く感じました。

訪問の様子がインターネットニュースに記事になっておりました。ご笑覧ください!https://www.educationtoday.lk/global-tutor-japan-delegation/

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スリランカ訪問記(そもそもスリランカとは)

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スリランカを訪問してきました。名前は聞いたことがあっても訪問をした人はあまりいないのではと思います。今回は現地の教育機関やスリランカで展開する日本企業訪問、またスリランカの起業家達とも交流してきました。現地で感じたことなどをシェア出来ればと思います。

まずはスリランカの基本情報からご説明します。場所はインドの南東に海峡を隔てて位置する島国です。元々はシンハラ人と言われる人々が住んでおり、インドから断続的にタミール人が移住してきて現在のシンハラ語とタミール語を話す国民が混在する状況を作り出しています。紀元前3世紀に王子が仏教を伝え現在も国民の7割以上が仏教徒で、ヒンドゥー教徒、イスラム教徒、キリスト教徒が続きます。地域により各宗教の比率は異なり、最大の商業都市であるコロンボでの各宗教の比率は1:1:1:1との事です。

16世紀からポルトガル、オランダ、イギリスが植民地としスパイス、特にシナモンの産地として重要視され、コーヒーのプランテーションが失敗したのを機に紅茶の栽培を始め現在では世界有数の紅茶の産地として有名です。1948年イギリス連邦の自治領セイロンとして独立し、その後1972年にスリランカ共和国と改称。その後自国内でシンハラ人とタミール人の間で内戦が起こり26年間に渡り続きました。2009年に内戦が終息し、制圧した政府軍を支援した中国とはその後も経済的な関わりが強く、今回の訪問中もそこかしこで中国企業が開発に関わっている場所を見かけました。沿岸部で大規模な埋め立てをしている地域は中国が租借地としているそうでしたし、ハンバントタという島の南にある港は中国が開発して管理をしているとの事でした。この動きは中国の「一帯一路(One belt One Road Initiative)」の一貫とも言われています。内戦を収める上での中国の支援が大きかったためか中国に対する現地の人々の捉え方が友好的で或ることが印象に残りました。(この点は追って起業家との交流で触れる予定です)

日本との関わりは、1951年のサンフランシスコ講和会議時に当時のスリランカ大統領が「憎悪は憎悪によって止むことなく、愛によって止む(Hatred ceases not by hatred, but by love.)」という仏陀の言葉を引用し対日賠償請求権の放棄を明らかにすると共に日本の国際社会復帰を求め、戦後の日本が国際社会の一員として復帰する道筋を作ったという実はとても日本とは深い縁と恩がある国なのです。その為、日本からスリランカへは経済支援を多く行っており、中国の支援が増加するまでは日本が最大の支援国でした。お会いしたスリランカ人の若者からも「日本からの無償資金協力によって1983年に完成したスリ・ジャヤワルダナプラ総合病院や1999年に完成したスリ・ジャヤワルダナプラ国立看護学校では日本に本当にお世話になった」と言われました。

2009年に内戦が収束してからは「平和」が訪れたと現地の人々は口々に言っていました。ほんの9年前まで内戦があった国とは思えないほど今は治安も良く、隣国のインドとは民族的には近いのですが雰囲気は大きく異なるようです。主食であるカレーもインドのカレーとはずいぶん異なり、油分が少なく野菜が多くてさっぱりとした味わいで何食続いても飽きずに食べる事が出来ました。人口が約2000万人という小国で島国という事から世界遺産が保全され点在し、建築を目指す人は一度は訪れるべきと言われるスリランカ出身の世界的な建築家であるジェフリー・バワの作品も多数あります。

交流した若い起業家達は世界の潮流を英語で入手し、スリランカの子供達に起業家精神を教えていました。世界的な視座を持った若者がスリランカを拠点に多数輩出され活躍していくのではないかというパワーを感じました。

日本に対してビジネス面など大きな期待を感じたのですが、果たして彼らの熱量と英語力に対峙できる日本の若者はどのくらいいるのだろうと思いました。私自身海外に目を向けるのも大切ですが、日本で切磋琢磨し世界を舞台に新しいビジネスを始めようとしている人々ともっと接してスリランカや世界の起業家達と繋ぐことが出来るようにならなくてはと改めて思った訪問でした。

スリランカの教育、起業家についてまたブログを書いていきます。

 

仕事で癒される

img_001先日心を痛める事がありました。気が付くとその事ばかりを考えてしまっていて。そんな時に私の心を慰めてくれたのは実は「仕事」でした。

好きな事、自分が得意と思う事を仕事に出来ているので私は働いている間、時間を忘れて没頭することが出来ました。そして、そうやって悩みや心配事を頭から追いはらってくれる存在を持つことはとても大切だと思いました。人によっては趣味だったり、瞑想など平静を保つメソッドだったりもすることもあると思います。

一日の大半を占める時間を費やしている仕事によりその間悩みから解放されたことで私は自分の心を癒し、立て直すことが出来ました。時間を忘れて没頭出来るものを持つこと。

それが仕事であったことを私はとてもありがたく思いました。