見て聞いて知ること

macau

先日クライアント同行の出張で香港とマカオに行ってきました。両地を繋ぐ橋が出来たので、陸路約1時間でこの二つの場所は移動できます。とても近いこの二つの場所はそれぞれイギリスとポルトガルの租借地であった歴史があり、返還後の現在は中国の一国二制度の下統治されています。

香港は、ニュースなどでご存知の方も多いと思いますが、現在学生を中心とした人々が中国寄りの姿勢を示す香港政府への抗議をデモという形で示しており、各地でデモ隊と香港警察がぶつかっています。今回、香港へ立ち寄ることには慎重に検討が必要でした。クライアントの仕事の打ち合わせ場所に近いホテルを手配して頂き、歩き回らないことを条件に香港行きを決めました。デモ隊に間違われないようにマスクをするなと注意をされたり、デモ隊が黒い服を着ていたことから黒い服は着ないようにと言われたり注意が必要でした。現地ではホテルから300メートル圏内以外を歩くことはなく、危険を感じるような経験はしませんでした。とはいえ、現地の人々から「観光客が少なくなっている。ホテルが取りやすいからまた来て下さい」と言われ、海外の観光客も皆香港行きを控えている状況を実感しました。私は高校時代に香港に住んでいたことがあり、友人もたくさんいるのでそのような状況になっていることはとても残念でした。車の窓から住んでいたあたりのマンション群を見上げて当時のことを懐かしく思いつつ香港に別れを告げました。

香港に1泊だけして今回の出張のメインであるマカオに向かいました。マカオ訪問は初めてで、今回は中国との国境に近い新市街と言われる場所を訪問しました。訪れて驚いたのは、マカオの新市街はまるでラスベガスのようであることでした。カジノを中心とした大きな細長い建物の周囲をぐるりと囲むように高級ホテルが林立し、そのカジノ+ホテルの塊が広大な土地の上に何カ所も広がっていました。今回の訪問の目的はホテルの方々との商談だったのですが、カジノを含んだ複合施設が更に拡大をしているとのことで、とてつもない規模のエンターテイメントの場が増殖中であることが分かりました。アジアの一大IRとなることを目指し、アジア各地から観光客を呼ぼうとしているのだろうかと思ったのですが、よくヒアリングをするとホテルの方達が見据えるメインのお客様は「中国本土からの旅行者」であるとのことでした。確かにホテル内では中国の方達をとても多く見かけました。

さて、今回の出張で私が感じたのは同じ一国二制度で中国に統治されている近接した二つの場所の中国に対する意識の違いです。香港は中国からの独立を願って行動を起こしている、一方マカオは中国に寄り添い経済的な発展を目指している。

どちらが正解ということではありませんが、この極端な違いに驚きました。この感覚は実際に行って見てみないと分からなかったことでした。中国という巨大な国に対して香港、マカオ、そして台湾もそれぞれ異なるスタンスで異なる距離を取っています。そのようなことを肌で感じることが出来たことは大きな収穫でした。

世界は動いている。それは日本でメディアを通して知るだけでは想像しにくいものです。今回の経験は今後他国の理解にも繋がると感じています。

訪問した国の状況を現地の人からお聞きして学ぶ事はこれからも続けていきたいと思います。そしてその情報を出前授業で学生の方々にシェアして、世界に関心を持つきっかけとなれればと考えております。